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一人は万人のために、万人は一人のために!
◎ ゴジラ 1.0
たくさん、観に来てくださいね。
その名は、木村久夫、戦没学徒の手記を集めた「きけわだつみのこえ」という文集の掉尾に、白眉の遺書がある。実は私が卒業した豊中高校(当時は豊中中学)の先輩であり、一時は第四高等学校(現在は金沢大学教養学部)を志望したとあるから、実現していたら重ねての先輩でもある。
京大経済学部に入学した氏は、学業半ばにして出征、インド洋に浮かぶカーニコバル島に配属され、通訳業務にあたったが、終戦直前に起こった上官による住民虐殺の罪をかぶる形で連座し、連合国側により絞首刑に処せられた。その獄中で哲学書の余白に書かれたのが遺書である。
「日本の軍人は…私達の予測していた通り矢張り、国を亡ぼした奴であり、凡ての虚飾を取り去れば私欲の他に何物でもなかった。…大東亜戦以前の陸軍々人の態度を見ても容易に想像される所であった。…彼等の常々の広告にも不拘(かかわらず)、彼等は最も賎しい世俗の権化となっていたのである。それが終戦後明瞭に現れて来た。…」
後に発見された文には、さらに鋭い軍部批判がある。
「軍人が常々大言壮語して止まなかった忠義、犠牲的精神、其の他の美学麗句も、身に装う着物以外の何者でもなく、終戦に依り着物を取り除かれた彼等の肌は実に耐え得ないものであった。此の軍人を代表するものとして東條前首相がある。更に彼の終戦において自殺(未遂)は何たる事か。無責任なる事甚だしい。之が日本軍人の凡てであるのだ。」
彼の示した学問の力を支えにした歴史に対する深い洞察が、私たちに託した財産だと思えてならない。
写真は、高知高校時代の木村久夫氏と、遺書が書かれた哲学書。
「きけ わだつみの声」収載の遺書の全文は、 ここを参照のこと。
今回、大阪きづがわ医療福祉生活協同組合では、次のような声明を出しました。
政府与党の自民党と公明党は、2025年に向けた経済や財政の基本方針(骨太方針)を6月に発表しました。その中で「OTC(市販薬)類似薬の保険適用外」と「病床11万床削減」を打ち出し、これに日本維新の会は賛成しています。
* OTC(市販薬)類似薬の保険適用外
市販薬と同じような効き目のある薬(OTC類似薬 OTC=OTCは「Over The Counter」の頭文字で、「カウンター越し」を意味します)については、健康保険の対象から外すことをめざしています。医療機関で処方されても保険が使えなくなるため、患者さんは全額自己負担になってしまいます。そこで調剤薬局「こつま」で、負担額の増大について調べてもらいました。
例1)
79歳女性1割負担 430円 → 930円
プラバスタチン5mg 1錠28日
マグミット錠330㎎ 3錠28日
例2)
72歳女性2割負担630円→ 1170円
エピナスチン塩酸塩錠20㎎ 1錠28日
テルビナフィン塩酸塩外用液60g
例3)
49歳男性3割負担1650円→ 3320円
フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg 2錠30日
ロキソプロフェン錠60㎎ 3錠10日
フェルビナクテープ35mg 28枚
例4)
10歳男性0割負担0円→ 1870円
ヘパリン類似物質クリーム100g
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg 2錠30日
赤字は、一般薬局も販売するが、保険薬と同等だが保険がきかない自己負担の薬(OTC類似薬)
当然ですが、薬価が高い抗アレルギー剤や保湿剤になると、負担金額が高くなります!!

図は、OTC類似薬の一例
* 全国の医療機関から入院ベット11万床削減
入院したくてもできない人が増え、必要な治療が受けられなくなります。
看護師や医師など医療現場の雇用に深刻な影響を与えシワ寄せは患者さんに及びます。新型コロナのような感染症の大流行に備えることができません。
いのちを削る政治・政策にキッパリと反対の意思を示すべきです。夏の参議院選挙などで大きな争点になるよう、国民の声をひろげましょう!
大阪きづがわ医療福祉生活協同組合

がもう健さんの「西成百景」から続く「郷土史シリーズ」も手持ちの原稿はすべてアップしました。また、続編があれば、投稿予定ですが、ひとまずは終了です。長年のご愛読に感謝するとともに、2025年6月号から、連載をはじめました「照る日曇る日シリーズ」を順次掲載してゆきますので、よろしくお願いします。
今まで、溜めた雑文の中や、新しく書き起こしたものやら、「照る日曇る日」と名付け、老小児科医の繰り言を連載することにした。しばし、お付き合いをお願いする。
医者のシンボルと言えば、首にかけた聴診器が真っ先にあげるだろう。以前、ある雑誌に、その聴診器にまつわる、当方の思いを書いたが、今回は、その補足である。
一昨年まで、複数の保育園児の健診を担当していたが、昨年で、お役御免となった。その時の、エピソードから…
年長児(5-6才クラス)は、健診でのさいごの機会となる。そこで、なにかちょっとした企画をすることにしていた。やや「セクハラ」気味だが「チュー」しようか、「ハグ」しようか、と提案しても、なかなか園児の賛同が得られない。そこで、この数年来、「自分の心臓の音を聞いてみようか?」というと、診察に使っていた聴診器を自分の耳にかけたがる。子どもの手をとり、心臓の上に当ててあげる。「聞こえたかな?」「ウン、ウン」「そうだよ、自分の『心(こころ)』を聴いてるんだ。もし、将来、この中から、医師になる子が出てきたら、そういうお医者さんになるんだよ」と、そっと願ってみていた。
健診の診察票に、保護者の質問コーナーがある。そこに「将来、医師になるためには、今何をすればいいですか?」と書かれた方がおられた。「うーーん、困った、強いて言えば、仲間と、うんと遊ぶことかな?」、こんな答えでよかったかな?
写真は、病児保育室での「聴診実習」の様子。