第三回作品・「泥の河」

きづがわ cinema 倶楽部
日時:10月29日(水)17:30から
場所:西成民主診療所2階デイケア室

【支配人Sの一言】
 本作は、宮本輝原作で、小栗康平監督の第一回監督作品です。キネマ旬報ベストテン第1位ほか、数々の日本映画の賞に輝き、モスクワ国際映画祭で銀賞、米国アカデミー賞の外国語映画部門にノミネートされました。撮影は名匠、安藤正平さんが担当(未完の対局、スローなブギにしてくれ、死の棘、麻雀放浪記など)モノクロームの映像、FIX(カメラを固定)の素晴らしい構図が映画の完成度を高めていると思います。
 三人の子役、脇を固める田村高廣さん、藤田弓子さんのお芝居が素晴らしいです。
 また、出番は少ないですが加賀まりこさんがとても綺麗です。

照る日曇る日(005)

 森鴎外は、明治から大正にかけての文豪、医者としては大先輩でもある。前回触れた「大逆事件」の結末にも、ある程度批判的な見解を持っていたが、山県有朋とも知己があり、評論などでは韜晦とうかいな表現に止めざるを得なかったようだ。
 そんな彼の子どもが、二人、百日咳にかかったことがある。1歳にもならない弟は命を落とし、姉も重篤な状態であった。その姉への対処で、「安楽死」問題が持ち上がった。幸い奇跡的に命をとりとめるが、安楽死を容認したのは、鴎外本人だったのか、誰だったのか、鴎外の二人の娘で異なった見解があり、今では大きな謎である。
 抗生物質もワクチンもなかった明治時代には、百日咳は恐れられていたが、実は今も根本的には変わっていない面もある。病院勤務時代、「普通の咳」を主訴に生後1ヶ月の子どもが、受診、念の為に、検査の指示をだした途端、処置室から看護師の「せんせ~!この子、息していない!」との悲鳴があがった。すぐに気管にチューブを入れ、呼吸が再開したが、当方も息ができないほどの思いだった。
 掲げた図(国立健康危機管理研究機構感染症情報提供サイトから)で、最近の百日咳の抗体価(抵抗力)を示す。特徴的なのは、年齢が小学校高学年から抵抗力が格段に落ちている。実際、百日咳の重症例・死亡例も報告されている。西成民主診療所では、特に、幼若乳児での発生を防ぐために、これから出産をひかえた、母親や父親など家族にも三種混合ワクチン接種を強くすすめている。(自費負担)ぜひ、診療所とご相談をお願いする。詳しくは、西成民主診療所のホームページ(百日咳ワクチン)を参照されたい。

大阪きづがわ医療福祉生協機関紙「みらい」
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