◎広隆寺ー国宝第一号の弥勒像で有名
嵐電嵐山本線の太秦広隆寺駅前にあるこの寺は、京都における最も古い寺院のひとつで、日本書紀によると、大陸からの帰化人である秦河勝が推古11年(603)に新羅、任那の両国から送られた仏像を祀ったのがはじまりだという。
その後、弘仁9年(818)と久安6年(1509)の二度にわたり建物が焼失し、現在のものは永承元年(1046)に建てられた講堂が最も古い。
霊宝殿にある本造の宝冠弥勒菩薩半珈思惟像は飛鳥時代の作といわれ、その日本的な徴笑に魅せられたのか、1970年ごろにいち高校生によつて右手指を折られてしまった。
この寺には同じく、もう一体の今にも泣きだしそうな弥勒菩薩があり宝髻弥勒とよばれている。
今は寺の隣に、日本映画発祥の地ということで、東映太秦映画村が昭和50年に開設され、時代劇の世界を体験できるテーマパ—クとして、さまざまなイベントが行われている。
「霊宝殿での守衛さんが少し厳しく感じたのは、過去にそんなことがあったのだね」と次郎がつぶやく。
「太秦は秦氏によって平安京以前から開かれていた。レトロな嵐電で嵐山を正面に見据えながら、寺社を巡るそぞろ歩きも」と友子。
“がもう健の〉次郎と友子の「びっくり史跡巡り」日記 第58回” への1件の返信