しょうにか・てとてと(005)

子どもを窒息から守るために
<窒息につながりにくい“食べ方”>
・水分を摂ってのどをうるおしてから食べる。
・一口にたくさん詰め込まない。
・よく噛んで食べる。
・食べることに集中する。
・口の中に食べ物があるときはしゃべらない。
・あおむけに寝た状態や、歩きながら、遊びながら食べない。

▲窒息につながりやすい食品▲
丸くてつるっとしているもの
ブドウやミニトマト:乳幼児(特に4歳以下)は1/4にカットする。(図)
ソーセージ:縦半分に切る。
こんにゃく:糸こんにゃくを使用し、1㎝程度に切る。
ピーナッツなどの豆類:未就学児(特に5歳以下)には避ける。
粘着性が高く、唾液を吸収して飲み込みづらいもの
餅、ごはん、パン類、焼き芋、カステラ、せんべい:無理なく子どもの口に入る大きさにし、一口ずつのみ込めたことを確認しながら与える。合間に適宜水分を摂らせる。
固くて噛み切りにくいもの
エビ、貝類:2歳以上になってから。
リンゴ、ニンジン:離乳完了期までは加熱する(すりおろしても大きめのかけらが混入することがある)。
水菜:1-1.5cmに切る。
イカ:小さく切って加熱するとさらに硬くなるため注意。
弾力性があり噛み切りにくいもの
きのこ類:繊維に逆らい、1cm程度に切る。
唾液を吸収して飲み込みづらいもの
焼きのり:2歳以上になってから。それまでは刻みのりを、かける前にもみほぐし細かくする。
鶏ひき肉のそぼろ煮:豚肉との合い挽きで使用するか、片栗粉でとろみをつける。
ゆで卵:細かくして、何かと混ぜる。
煮魚:味をしみ込ませ、やわらかくしっかり煮込む。

<もしも気道に食品が詰まってしまったら>
1. ただちに周囲の人に助けを求める。
2. 119番に通報する。
3. 応急処置を開始する。
※応急処置(異物除去や心肺蘇生)の方法を動画で学んでおきましょう

リンク先:日本小児科学会HP(食品による窒息)⬇️

 【お断り】現在は、日本小児科学会HPにて、前半(基礎編)と後半(対応編)に分かれています。

しょうにか・てとてと(004)

おなかのかぜには 食養生

 なんとなく、いつもよりもごはんを食べるのが遅いなぁ……、と思っていたら、けぽっ!と急に吐いてぐったり、うんちもゆるくなってきたみたい―――
 あなたやご家族にも、経験があるかもしれません。いわゆる、“おなかのかぜ”です。子どもの“おなかのかぜ”は、多くがロタウイルスやノロウイルス、アデノウイルスなどの<ウイルス>によるものです。これらのウイルスは、食べものや手を介して、口から子どものからだに侵入します。ウイルスがおなか(腸管)の中で増えてくると、おなかを守る免疫の細胞がたたかいはじめます。たたかいのあいだは、いつものように食べものを消化できずに、吐いたり、うんちの回数が増えたり水っぽくなったりします。からだがウイルスとのたたかいに勝つころになると、おなかは普段のはたらきを取り戻し、それに応じて少しずつ食べられるようになり、数日かけてふだんのうんちが出るようになっていきます。

 おなかのかぜのときに、大切なのは次の2つです。

  1. 水分をとること
  2. 栄養をとること

 おなかのかぜでは嘔吐や下痢によって、からだの水分が失われます(脱水)。脱水がひどくなるのを防ぐために、水分のとり方を知っておきましょう(この方法を「経口補水療法」といいます)。やり方は簡単!嘔吐や下痢の度に、水分をとります。量の目安は、嘔吐や下痢1回ごとに、体重が10kg未満の子どもは60~120ml、10㎏以上の子どもは120~240mlです。吐き気があるときは一度に飲めないので、一口ずつ(1回10mlくらい)、何回かに分けて、様子をみながら与えるようにしましょう。用いる水分は、塩分と糖分が含まれているものにします。経口補水液(オーエスワン®やアクアライト®)として市販されているもののほか、みそ汁の上澄みやスープ類も良いでしょう。スポーツドリンクは糖分が多いので、下痢がひどくなることがあります。

 嘔吐がおさまってきたら、少しずつ栄養をとりましょう。基本的にはいつものごはんで良いのです。乳児では、母乳をやめたり、ミルクを薄めたりする必要はありません。幼児食の子どもでは、うどんやお粥、豆腐や卵、鶏肉やアジなど脂肪の少ない肉や魚、軟らかく煮た野菜やバナナ・りんご・ももなどが、消化の負担が少なくおすすめです。ハムやソーセージ、イチゴやミカンは、もう少し元気になってからにするといいですね。
 半日以上嘔吐が続いていたり、おしっこが減ったり、うんちに血が混じったりするときは、一度病院に来て下さいね。おなかのかぜを、水分とごはんを味方にしてのりきりましょう。

※<てとてと>の記事のご感想やご意見、<てとてと>できいてみたいことなど、教えて頂けましたら幸いです。宜しくお願い致します。

しょうにか・てとてと(003)

♪音楽のチカラで広がる子どもの世界♫

病児保育室「まつぼっくり」の保育士さんから、投稿をいただきました。(医療生協機関紙「みらい」2026年5月号掲載)

 子どもにとって音楽は、楽しいだけではなく心と身体の成長を支える大切なものです。
 幼稚園教育要領や保育所保育指針でも音楽などの表現活動を通して、自分らしく表現する力を育てることが大切とされています。
 音楽に合わせて歌ったり身体を動かしたりする中で、気持ちが安定し表現する楽しさを感じられます。また、朝の体操のような活動は一 定のリズム刺激を通して、生活リズムを整え活動 への切り替えを促す役割も担っています。
 さらに、音楽は子ども同士の関わりを自然に生み出すきっかけにもなります。一緒に歌ったりリズムに合わせて体を動かす中で「同じことを楽しむ経験」を共有できます。その中で、友だちの動きの真似をしたり、タイミング を合わせたりする姿が見られ協調性や相手を意識する力が育っていきます。また「 一 緒にやると楽しい 」という気持ちは安心感や仲間意識につながり、言葉でのやり取りが十分でない子どもでも、音楽を通して自然に関係が生まれます。
 こうした積み重ねは 、「リトミック」のように音楽と身体運動を組み合わせた活動で体幹の安定やバランス感覚 、協応動作の発達も育ちます。子どもたち の「 楽しい!」という気持ちを大切にしたいですね!

~お家でできる音楽遊び~🎵

①大人が手をたたいて「タン・タン・タン」とリズムを作り、子どもが真似をする「リズム模倣遊び」は手軽に楽しめる遊びです。この遊びを通して聴覚的注意力や、ワーキングメモリーが働き、リズム感や集中力、聞く力の育ちにつながります。
②音楽が流れている間は自由に身体を動かし、音楽が止まったらピタッ!と止まる遊びです。楽しみながら身体のコントロールや反応力が育ち、集中して音を聞く力も養われます。

ぜひ、ご家庭でも取り組んでみてください♡

しょうにか・てとてと(002)

あっ、あぶない!を防ぐために

 子どもにとって、夏は楽しいイベントの多い季節です。水遊びをしたり、お出かけしたり、……いつもとちょっと違う時間にわくわくする機会が増えますね。一緒に過ごす大人にとっても、子どもの新しい一面を発見できるのは嬉しいことです。
 さて、「非日常」は楽しい一方で、実は思わぬことが起きやすい時間でもあるんです。わくわくするものが目の前にあると、子どもの注意力はぐっと下がります。ふだんどおり気を付けていても……「あっ、あぶない!」が起きるかもしれません。
 とはいえ、ずっと子どもに気を付け続けるのはとっても大変です。そこで、今回はこんな提案をしてみたいと思います。

《 ふだんの子どもをよくみてみる 》

 なぁんだ,と思った方もいらっしゃるでしょう。でもね、これが「あっ、あぶない!」を防ぐことにつながるんです。大切なのは ふだんの、すなわち「日常」の行動を観察することです。
 子どもは年齢ごとに特徴的な行動があります。

0か月~4か月ごろ
 このころは一人で身動きができません。布が顔にかかっても自分で取ることができないので、窒息のおそれがあります。
4か月~7か月ごろ
 寝返りをしだすと、少し目を離した隙に転落する事故が増えます。また、何でも手で口に持っていくので、誤飲しないよう小さなものはよけておきましょう。
8か月~1歳ごろ
 ハイハイやつかまり立ちの時期は、何でも触ってみたいとき。切り傷や、やけどが増えます。
1歳~2歳ごろ
 何でも自分の興味で動く年齢です。でも、危険を予測することはできず、同じことを繰り返します。親の制止を聞かないイヤイヤ期でもありますが、自分や誰かの命に関わることについては、きっぱりと、根気よく言い聞かせましょう。

 子どものふだんの行動をよく観察して、どんな事故が起こりそうか、よく想像してみて下さい。そこに、「あっ、あぶない!」を防ぐヒントがありますよ。

しょうにか・てとてと(001)

 今回より、小児科シリーズ(てとてと)を連載記事として掲載します。N診療所の T医師などから寄せられたものです。ぜひ、ご感想をお寄せください。


ねて、たべて、あそぶ

 子どものからだは毎日一生けんめいです。とくに、
1. ねること
2. たべること
3. あそぶこと
の3つは、子どもが生きるために大事なことなので、優先的にエネルギーを使おうとします。

 今、からだの中に、<かぜのウイルス>が入ってきました。すると、白血球という細胞が集まってきて、かぜのウイルスとたたかいはじめます。白血球にとって、鼻水や咳は<応援部隊>です。たたかいで弱ったウイルスを、からだの外に出してくれるのです。ようやくウイルスがいなくなると、たたかいで傷ついた粘膜を治す細胞がやってきて、元どおりにします。
 こうしたウイルスとのたたかいは、毎日、子どもの鼻やのどで繰り広げられています。弱いウイルスが相手のときは、ちょっと鼻水や熱が出ても、ふだんどおりにたべたりねたりできます。しかし、手強いウイルスが相手のときは、からだのエネルギーをたくさん使ってたたかわなければなりません。このとき、たたかいと直接関係のないことは、“省エネモード”に変わります。
 はじめに省エネモードになるのは「あそぶこと」。次に「たべること」が、最後に「ねること」が省エネモードに変わります。相手が手強くなるほど、省エネになることが増えていきます。つまり、子どもがカゼを引いたかな?というときに、いつものようにあそぶようすが見られれば、ひとまず安心してよいでしょう。食欲がなくなってきたら、少し慎重に観察を。ねられなくなってきたら、かかりつけの先生に一度診てもらってください(観察のポイントや、家での看病の仕方については、これから少しずつおはなししていきますね)。

1. ねること
2. たべること
3. あそぶこと
 この3つが出来ているかどうかが、子どものカゼのしんどさや、かかりつけ病院へ受診するタイミングの目安になるということを、ぜひ知っておいて下さいね。

 ※<てとてと>の記事のご感想やご意見、<てとてと>できいてみたいことなど、教えて頂けましたら幸いです。宜しくお願い致します。